藤巻胃腸科内科クリニック
医院写真


 特別リンク
不慮の事故で急逝した青年医師の追悼集です。





































































































































































大腸がん

大腸がんは増加しています!!
 食事の欧米化に伴い年々増加し、胃がんの患者数に近づいています。死亡率では大腸がんは手術後の生存率の高いがんですので、肺がん、胃がんについで3番目ですが、女性では死亡率が一番です。(男性では患者数は胃がん・肺がんについで2番、死亡率では肺がん、胃がんについで3番目、女性の患者数では乳がんに次いで2番目です。)


主ながんの全国罹患数

大腸がんの危険因子
 
肉のとりすぎが一番といわれており、アルコール・肥満・喫煙も指摘されています。遺伝的要因も他のがんより強いと言われています。

大腸がんの症状
 一番気を付けなければならないのは血便。(痔の方でも一度は腸の検査をお勧めします。)便秘(あるいは下痢)、便が細い、お腹が張るといった腸の中が狭いための症状も要注意。ただし、比較的早期の大腸がんではほとんど症状がないことが多いので、40歳以上になったら大腸がん検診を受けることを勧めます。

大腸がん検診の実際
 検便で血の反応をチェックします。胃からの出血は変性で陽性に出にくいため、陽性なら腸か肛門からの出血が疑われます。ただし、大腸がんでも100%陽性に出るわけではありませんので、上記のような大腸がんが疑われる症状があれば、検診の結果に関係なく精密検査を受けるべきです。

大腸がんの診断
 レントゲンによる注腸造影(バリウムと空気を肛門より注入)と内視鏡(カメラ)で行います。いずれも便を全て出して腸を空っぽにするために、胃の検査より準備に手間がかかりますが、以前より改善されてきています。(写真左が進行大腸がんの注腸造影で、矢印の所で腸が狭くなっています。同じ患者さんの内視鏡写真が右で、矢印の所が腸の狭い所です。)
大腸癌

進行大腸がんの内視鏡写真

 胃がんと同様に番号が進むほど治療が難しくなりますが、大腸がんは潰瘍(かいよう)が有るもののがんの広がりが限局している2型がほとんどです。
1型:盛り上がりだけで潰瘍(かいよう)のない型 2型:潰瘍があってもがんの範囲が限られている型 3型:潰瘍がくずれて、がんが広がっている型 4型:がんが表面に顔を出さずに胃の壁にそって進む型

早期大腸がんの内視鏡写真

 胃がんと同様の分類ですが、ほとんどがT型かUa型です。本来Ua型に属するのですが、丈が低く広がりの広いタイプを側方進展型と呼びます。Uc型は従来幻のがんと言われ、発見の難しいタイプです。
Tp型:有茎隆起 Ts型:無茎隆起 Ua型:平坦隆起 側方進展型 Uc型:平坦陥凹

大腸がんの治療
 性質の穏やかながんが多いため、外科手術後の生存率が高く、大腸がんと診断されても必ずしも悲観する必要はありません。また、外科手術の進歩で、直腸がんでも人工肛門を作らないで済む場合が多くなりました。また、腹腔鏡を利用した手術が普及し、以前より傷口の小さな手術も可能になりました。そうは言っても、がんが広範囲に転移してしまいますと、救命は難しいこともありますので、早期発見・早期治療が大切です。


早期大腸がんの内視鏡的治療
 大腸の早期がんは、お腹を切らないで内視鏡(カメラ)を使って治療できる病変がほとんどです。大腸の早期がんには、ポリープからがん化するものと、最初からがんで発生し平坦で見つけにくいものの2種類があることが知られています。いずれにしても専門医による内視鏡(カメラ)検査が、発見と治療に非常に役に立ちます。(内視鏡的治療の詳細は、胃腸のポリープの特集を参考にして下さい。)

大きな早期直腸がんの内視鏡的治療

 直腸にいびつな形の亜有茎性(くびれはあるも、茎はなし)病変有り。大きさは2cm(左)。根本に生理食塩水を十分注射後、金属製のスネアーで締め付け、高周波電流を通電(右)。

 病変切除後の傷口。出血は全くなし(左)。傷口が大きいため、後出血予防にクリップを2個使用し、傷口を閉じる(右)。


平坦で見つけにくい早期大腸がんの内視鏡的治療

 直腸にわずかに赤い部位があり(左)、青い色素水をかけると輪郭がはっきりし、周囲よりわずかに盛り上がっていることがわかりました(右)。(人体に無害な色素水をかける方法を色素内視鏡検査といい、精密検査には欠かせません。) 早期大腸癌 色素内視鏡

 内視鏡を通じて生理食塩水を病変の根本に注射して盛り上げ(左)、金属のスネアーで根本を締め電流を流して切り採りました(右)。(治療の詳細は、胃腸のポリープの特集を参考にして下さい。)
生食局注後 粘膜切除
 右の写真は、切り採った病変の断面に色を付けた標本の顕微鏡写真です。色の濃いところ(矢印の間)だけががんで、がん全体が確実に採り切れており、最大径8mmの粘膜に限局した小さながんでした。この方はもちろん今も再発なく元気で暮らしております。


内視鏡治療が困難な早期大腸がん

 右図一番左のmがんと呼ばれる粘膜に限局したがんは、原則として内視鏡的切除が可能です。真ん中のsmがんと呼ばれる粘膜下に進んだがんのうち、大量に粘膜下にがんが入り込んでいる場合には、リンパ節転移の可能性があり、原則として手術が必要です。(腹腔鏡を利用した縮小手術が主に用いられます。)進行がんは内視鏡的治療の対象外です。

 
 左はポリープ状ですが、根本が太く盛り上がっています。右もポリープ状ですが、表面は黄白色の苔で覆われ、病変全体がくずれてきています。




 左は茎も有りますが、病変の半分がくずれ、ひきつれも有ります。(有茎性病変は普通mがんですので、例外的な病変です。)
 右は平坦ながら表面がくずれてきて、かいようを形成し始めています。


 以上の4病変は内視鏡観察の時点で、粘膜下に大量にがん入り込んでいることが推定でき、内視鏡的切除の適応とはなりません。

写真は全て当院のものです。