藤巻胃腸科内科クリニック
医院写真


 特別リンク
不慮の事故で急逝した青年医師の追悼集です。
























糖尿病

糖尿病とは?
 糖尿病は膵臓(すいぞう)から出る「インスリン」というホルモンの量や働きが足りなくなり、血液の中の糖分(血糖)が高くなる病気です。血糖が高い状態が続くと、体中の血管・神経に障害を起こし、抵抗力も低下し、合併症(糖尿病から引き起こされる重症の病気)が起こってきます。糖尿病は現代社会の栄養過多と運動不足のため年々増加しています。また遺伝の影響もあるため、血縁に糖尿病の人がいる場合は要注意です。(生活習慣病である一般の糖尿病は2型と呼ばれ、生活習慣とも遺伝とも関連のない主に若年発症の1型糖尿病もあります。)

糖尿病の検査
 糖尿病の診断は尿糖の有無だけでは不十分で、正確には糖負荷試験(濃い糖液を一度に飲んで、血糖の上昇を調べる検査)で診断します。また、過去2-3カ月の血糖の平均値を示すのがHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という値で、6.0%に近ければ糖尿病の可能性があります。このHbA1cは糖尿病治療の際に大切で、コントロールの善し悪しの判定に用いられます。
75g糖負荷試験の診断基準
 正常型  空腹時 110mg/dl未満 かつ
      2時間値 140g/dl未満
 糖尿病型 空腹時 126mg/dl以上 あるいは
      2時間値 200mg/dl以上
 境界型  正常型にも糖尿病型にも属さない
糖尿病のコントロール判定(HbA1c) 
 優  5.8%未満
 良  5.8-6.5%未満
 可(不十分)6.5-7.0%未満
   (不良)7.0-8.0%未満
 不可 8.0%以上

糖尿病の症状と合併症
 症状は初期にはほとんどありませんが、かなり血糖が高くなるとのどが渇き、水分が欲しくなり、尿の回数が増えます。治療しないで放っておくと、次第に合併症の症状が出てきます。合併症で頻度の高いのは目(網膜症)、腎臓障害、神経障害です。@網膜症:目の神経が集まっている網膜に悪い血管が出来、眼底出血しやすくなり、進行するとレーザー治療をしないと失明の可能性が出てきます。A腎症:進行すると尿から老廃物が排泄できなくなり、血液透析が必要になります。B神経症:手足の先の方からしびれや痛みを感じ、感覚がマヒすることもあります。C糖尿病性壊疽(えそ):足の血液の循環が悪くなり、神経障害のため細菌感染に気づきにくく、発見が遅れると足を切断しなければならないこともあります(右図参照)。D動脈硬化が進み、脳卒中・心筋梗塞・下肢の動脈の閉塞(へいそく:詰まること)などの全身の血管の病気にかかりやすくなリます。E糖尿病性昏睡(こんすい):血糖が極端に高くなると意識低下を招くことがあります。F細菌に対する抵抗力が弱まり、膀胱炎や肺炎などにかかりやすく、治りにくくなります。
 合併症の予防には何よりも糖尿病をきちんとコントロールすることが大切です。
眼底写真(上:
正常,下:眼底
出血)



足の壊疽(え
そ)


糖尿病の運動療法・食事療法
 運動は歩くことが基本で、可能であれば大股で早足にし、毎日30分以上を目標にします(万歩計では六千〜一万歩)。運動は体重を減らすだけでなく、代謝を活発にしインスリンの働きを良くします。
 食事は昔ながらの和食が理想で、主食(ごはん)を主体に各栄養素をバランス良く(野菜は十分に)とることが大切です。一日に決められたカロリーを三食にほぼ均等に分けます。(カロリーはその人の理想体重と仕事の運動量から算出しますが、多くの人は普段摂取しているカロリーより減らす必要があります。)早食い・朝食抜き・夜食は良くありません。油っこい物(揚げ物)・間食のお菓子・アルコールは極力控えます。外食の多い方は、一品料理ではなく出来るだけ定食にし、油で調理したものは避け、ご飯は半ライスにしてもらいます。



糖尿病の薬物療法
 上記の運動・食事療法を十分行っても、コントロールが不十分な場合に薬を併用します。
 内服薬には膵臓を刺激しインスリンを増す薬・食物の吸収を遅らせる薬・インスリンの抵抗性を減らす薬等があります。インスリンの注射は、内服薬でコントロールが不十分な場合や1型で必要になります。自己注射や自己血糖測定を覚える手間がありますが、合併症を起こす前に開始するべきです。コントロールの状態は主にHbA1cで判断し、6.0%以下を目標に、悪くても6.5%以下を保つことが大切で、動脈硬化の進展防止には食後の血糖も180mg/dl未満に保つことが推奨されています。
 糖尿病体質を治すことは困難ですが、合併症を予防できれば健康体と何ら変わりません。糖尿病は医師任せではなく、自らの意志でコントロールする病気です。