藤巻胃腸科内科クリニック
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不慮の事故で急逝した青年医師の追悼集です。




















































































































胃がん

胃がんは減少?
 食生活の変化・がん検診の普及・治療の進歩で死亡率は年々減少し、男性のがん死亡率では肺がんに1位の座をゆずりました。ただし、患者さんの総数では現在も一番多いがんです。(肺がんは早期発見の難しいがんのため、死亡率が高いのです。女性では患者さんの数だけではなく、死亡率でも大腸がんが一番になりました。)


主ながんの全国の罹患数

危険因子と防御因子
 危険因子は高濃度食塩防御因子は緑黄色野菜と言われています。近年、胃かいようの再発・難治化の原因として注目されている、ヘリコバクター・ピロリ(以下、ピロリ菌)も、胃がんの危険因子と言われるようになりました。ピロリ菌が胃内に存在すると持続性の胃炎を生じることが原因と考えられています。(残念ながら、胃がんの予防としてのピロリ菌除菌療法は、保険医療では認められておりません。)
ピロリ菌

(図はピロリ菌の電
子顕微鏡写真で
す)。

胃がんの症状
 みぞおちの痛み、食欲不振、吐き気などで、胃かいようや胃炎と大きな違いはありません。さらに早期胃がんではほとんど症状がないのが普通です。

胃がんの診断
 早期発見には無症状でも胃検診を受けること、もし少しでも胃の症状がある場合や検診でチェックされた場合には、専門医できちんと精密検査(内視鏡検査)を受けることが大切です。(内視鏡検査は以前より楽に受けられるようになりました。胃腸の内視鏡参照)内視鏡で良く観察し、病変を見つけたら内視鏡の中を通して、鉗子(かんし)という器具を使い、組織(細胞のかたまり)をつかみ取ります。組織は顕微鏡診断の専門医(病理医)が、がんかどうかを診断します。
生検の絵

右写真の矢印の器具が組織を
つかみ取る鉗子(かんし)で
す。

進行胃がんの内視鏡写真
番号が進むほど治療が難しく、特に4型はスキルスと呼ばれ、進行が速い割に初期には見つけにくく、診断には高度の経験を要します(逸見さんがかかったタイプです)。
1型:盛り上がりだけで潰瘍(かいよう)のない型 2型:潰瘍があってもがんの範囲が限られている型 3型:潰瘍がくずれて、がんが広がっている型 4型:がんが表面に顔を出さずに胃の壁にそって進む型
1型
3型

早期胃がんの内視鏡写真
I型はポリープ状のもの、IIa型はわずかに盛り上がっているもの、IIb型は周囲と高さが全く同じもの(矢印の間に1cmの大きさのがんがありますが、この写真では指摘は無理です)、IIc型はわずかにへこんでいるものIII型は良性の潰瘍とほとんど区別がつかないもの(矢印の赤い所だけががん)です。
I型 IIa型 IIb型 IIc型 III型
1
2b
2c

(色素内視鏡検査)
 平坦でわかりにくい病変の場合、内視鏡を通して人体に無害な色素を散布することにより、病変がはっきりします。写真左はほとんど病変が分かりませんが、右の色素散布後の写真で早期がんが確認できました(画面上では鮮明でないかもしれませんが、矢印の外側と内側では色調が違うことはお分かりかと思います。)
色素内視鏡

早期胃がんとは?
 胃の粘膜下層までにとどまる浅いがん(癌)を言います。(右の絵の上が胃の中、下が胃の外です。)早期がんの中でも粘膜だけにとどまっていれば、リンパ節転移の可能性がほとんどなく内視鏡による治療や小さな手術で済ませられます。粘膜下層まで進んでいても、きちんとした手術を受ければほとんど助かります。
早期癌絵

胃がんの治療
 治療の原則は確実にがん部を採り切ることです。外科手術の進歩で、進行がんでも手術後の生存率が向上しています。早期がんではお腹のキズが小さく、術後の痛みも軽い、腹腔鏡(ふくくうきょう)を使った手術も発達してきました。さらに、浅く小さながんでは、お腹を切らずに内視鏡を使った治療も可能です(胃腸のポリープの特集を参考に)。内視鏡治療可能な病変は、粘膜までに留まり(右上の図を参照)、潰瘍のない病変というのが一般的な考え方です。内視鏡的治療法の進歩で、以前は採りきれなかった大きさや部位の病変にも適応が拡大してきています。 治療法が進歩したとはいえ、放置すると肝臓に転移しやすく、がん細胞がお腹中にまき散ることもあります。残念ながら、抗がん剤では確実に治癒に至らせる薬はないのが現状です。以前、がん検診無用論も有りましたが、検診・内視鏡検査を積極的に受け、早期発見・早期治療に努めましょう

胃がんの検診
 一般にはバリウムを飲み込むX線検査(胃透視検査)で行います。(高齢の方で、透視台の上で回転するのが苦痛な方は、最初から内視鏡検査の方が楽です。)
 採血でペプシノーゲンという物質を測定している場合も有りますが、これは慢性胃炎のマーカーで、慢性胃炎の進んだ人が胃がんなりやすい事を利用しています。同様にピロリ菌の有無を健診で測定することもありますが、こちらも陽性の人は陰性の人より胃がんになりやすい体質になっていると考えられます。
 健診で陽性になると、すぐがんになったと思いこみ過剰に心配する人がありますが、念のためのチェックですので、あまり心配はいりません。ただし、内視鏡でしっかり胃を調べる良い機会と考えて、気軽に内視鏡検査を受けましょう。(胃腸の内視鏡参照)

内視鏡写真は全て院長の経験したものです。