5 御領分社堂 

        

A  テキスト解説 

 原本は盛岡市中央公民館所蔵

宝暦十年頃(1760年)

 

記載された社堂の数は合計2,384

第1巻は修験持社堂 683

第2巻は寺院・神社持社堂 375

第3巻から第5巻までは、俗別当持社堂 1,326

 

参考資料

森毅著「修験道霞職の史的研究」(平成元年・名著出版)及び

岸昌一編「御領分社堂」(平成13年・岩田書店)(解読含)

  

 

以上(盛岡藩歴史資料ガイドU 盛岡市教育委員会 工藤利悦著 90頁)による。

 

 この講座では花巻周辺の寺院持社堂及び八幡寺林通御代官所の俗別当持社堂

を取り上げた。なお、今回の解読文作成に当たり岸氏の解読を参考にした。

B   本文(御領分社堂の一部)

稗貫郡花巻

一 愛宕大権現  三間四面こけらふき

  拝殿 五間ニ二間半こけら葺 廊下二間ニ二間同上

 

利直公御代根元鍋倉村万福寺当山へ被為引御建    (1599・1632)

立慶長年中当山へ被為入開山宥算上人寺号万福寺   (1596・1614)

を八幡寺と改号被仰付為御軍用御要害地 殊為軍陣

守護南部惣鎮守愛宕勧請被遊御祈願所と代々

申伝置候 慶長十六年 利直公下宣諚当郡主北    (1611) 

尾張守信愛為本願御建立 寛永廿一年御再興     (1644)

重直公御代盛岡愛宕堂被遣御領分中勧化被      (1632・1664)

仰付御造営正保五年成就 御在国之節ハ七月之頃花巻へ (1648)

御出被遊大方盆ハ花巻ニて被成候由 八幡寺へ折々

御成被遊前庭ニて相撲御覧被遊 花巻諸士子共踊被

仰付御覧被遊候由 今以当寺奥座敷 御成座敷と

申候 御堂修復御領分中勧化被仰付御証文所持罷

有候 修復之節毎度勧化申上来候 棟札縁起無之候

 

万丁目通御代官所鍋倉村

一 春日大明神社   二間一間半柿葺

 

山陰左中将末葉藤原為重本願建立と申伝候 別当

万福寺 昔和賀稗貫十八ヶ寺之本寺 天文年中本院  (1532・1555)

六坊共に消失仕円形鋳付之佛躰有是ハ本佛之写と

申相残ル右円形鋳付之内ニ寛正二二年と斗相見得候 (?1461・1466)

縁起古代之棟札無御座候 申伝書付置候

 

右は八幡寺持

 

鬼柳通御代官所

一 八幡宮       三間二間半大柿葺

坂上田村麿奥州下向所々八幡宮建立其一社也と申

伝候 信楽寺知行所之内ニ御座候 慶長年中和賀一乱

候得共御利運御領一統相成 利直公御代右御宮御建立

元和年中寺領弐拾石被下置候由緒御座候て被下置と  (1615・1623)

伝承候得共由緒書物無御座候 元禄九年 行信公御代  (1696)

御再興被 仰付享保二年 利幹公御代二郡勧化     (1717)

修復仕候元文三年 利視公御代勧化願之通被仰付    (1738)

屋根葺替本尊両尊躰厨子造立仕候右信楽寺

知行所より寺場何年之頃花巻へ引移候哉不相知

由緒縁起無御座候

 

一 新山権現跡 本尊十一面観音也八幡宮内陣納置

 

一 稲荷明神 社本尊も無御座候

 

一 弁財天 小宮御座候

 

右三社由緒縁起無之候八幡社内御座候

 

右ハ信楽寺持

 

安俵通御代官所成嶋村

一 熊野権現社  三間三間?葺

 

一 毘沙門堂  丈余尊像三間四面 九尺間 菅葺

右両社本尊運慶作 大同年中為御願坂上田村麿     (806・810)

建立と申伝先寺覚書相見得候縁起棟札無御座候

利直公御代弐拾三石 御黒印山内寺内共ニ御寄附

相見得候 例年於両社前三月三日的九月十九日相撲

御座候此式御村氏子共古代より其家々相定両度ともニ

勤申候

 

一 吉祥天 古損毘沙門堂内ニ有 一 弥陀堂 二間四面かやふき

一 蔵王堂 小社 板ふき    一 稲荷宮 同上

 

右建立之由緒不相知

 

右は成嶋寺持

 

高木通御代官所黒岩村

一 白山宮  三間弐間?葺

当社ハ養老年中加州白山移草創と申伝候古昔      (717・724)

之棟札縁起無之候 古寺場 丈六之本尊有之由右寺

場跡只今畑と成大石共御座候柱立申墨跡ニ今相

見得候 由緒不相知

 

一 本宮  小社板葺白山権現之本宮と申伝候

一 弥陀堂 三間四面茅葺本尊古仏破損

一 かさ堂 小社板葺本尊薬師

一 山王社 小社板葺

一 愛宕権現 壱間半四面かやふき

一 三宝荒神 小社かやふき

一 御前堂  同

 

右かさ堂以下之小社堂古代近在之者共山内へ納

置候と相見得候由緒縁起無之候 

 

右白山寺持

 

安俵通御代官所高松村

一 観音堂  三間四面かやふき

 

右は御国十七番札所往古堂寺共ニ元高松と申

所御座候由何年之頃引移候も不相知候 本尊十一面

観音也古来より高松女御之御時安置と申伝候 由緒

縁起無之候

 

一 白山社   二間ニ一間茅葺

 

由緒不相知

 

右ハ高松寺持

 

寺林通御代官所初瀬堂村

一 初瀬観音  三間四面かやふき

 

右ハ御国八番札所也 坂上田村麻呂建立奥州三初瀬

之内ニ申伝候 昔志和一乱之節当山社堂破滅仕本尊

斗山内ニ奉安置八幡寺下好慶寺沢流之辺ニ寺を

建立住居仕何年之頃引移候共縁起棟札等も

無之候 初瀬古寺場三古平と申所古寺場御座候

 

一 八幡宮跡    一  愛宕堂跡   一 稲荷社跡

 

右及破壊三所共ニ社堂地斗御座候由緒不相知

 

花巻長谷寺内

一 三十三観音   二間四面茅葺

 寛保二年在町施主有之建立仕候          (1742)

 

右は長谷寺持

 

八幡通御代官所五大堂村

一 不動堂     三間四面小?葺

本尊五大尊承和年中慈覚大師東行脚之節       (834・848)

当山建立と申伝候 開基智空阿闍梨応和年      (961・964)

中堂寺社宮共に焼失仕候由 慈覚大師御作之

釈迦尊像斗残縁起古代之棟札等無御座候

 

右ハ光勝寺持 

 

(以下途中略)

        八幡寺林通御代官所

 下似内村

  一 羽黒堂    壱間ニ壱間半 萱葺  俗別当喜蔵

 上似内村

  一 観音堂    弐間四面   萱葺  同  喜内

 同村

  一 牛頭天王   壱間半四面  萱葺  同  長吉

 五大堂村

  一 正観音堂   弐間四面   萱葺  同  重右衛門

 好地村

  一 薬師堂    三間四面   萱葺  同  勘十郎

 西宮野目村

  一 十一面観音堂 三間四面   萱葺  同  惣兵衛

 北湯口村

  一 牛頭天王社  三尺四面   板葺  同  忠右衛門

 湯ノ沢

  一 薬師堂    四尺四面   柾葺  同  徳右衛門

 糠塚村

  一 勢之大稲荷社 右同     板葺  同  平左衛門

 大瀬川村

  一 天神社    弐間四面   かや葺 同  仁助

右社堂何も建立年月由緒等不相知縁起棟

札無御座候

 

松林寺村 松宮山松林寺

  一 延命子安地蔵 五間四面   萱葺  別当 小田嶋六位 (851・854)

     右は仁寿年中建立之所天文年中堂並本尊        (1532・1555)

     縁起共ニ焼失其頃再興其後慶安五年再興        (1652)

      以後宝永元年再興仕候其頃右聞伝書之     (1704)  

 縁起御座候右堂当時及破壊候

湯本村

  一 大日堂    三間四面   萱葺  同  吉左衛門

     右は嘉慶三年建立仕候由覚書ニ御座候        (1389)

瀧田村

  一 熊野権現堂  壱間四面   板葺  同  三七

     右は大同年中之頃当山へ建立仕候由申伝御座候得共    (806・810)

     由緒縁起相知不申候尤寛保三年再興仕候       (1743)

     棟札御座候右堂及破損候

下似内村

  一 神明社    壱間四面   萱葺  同  吉右衛門

     右は建立之年月相知不申候

     清受院様御知行地之内御鎮座ニ付   重信息七戸外記・娘三重子)

     清受院様より御寄附米被下来候宝暦八年再興   (1758)

    之棟札御座候

同村

  一 稲荷社    三尺五寸四面 板葺  同  宇兵衛

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