第2 平成20年度分

 A テキスト解説
  

使用テキストについて

 鬼柳関所文書 一

 

 原本は岩手県立図書館所蔵

(請求番号1 新 ・請求番号2 31―22)

 

県立図書館に一と二の2冊あり、今回は一から抜粋した。

 

鬼柳関所勤務の心構えというか必要知識、今までの慣例等をメモにしたようなものだ。

歴史的事実も多少あるが、文書の様式とか、当時の勤務の様子が伺える資料として面白い。この文書は嘉永以降に書かれたものだろう。

今回は

1 鬼柳勤務になったときの発令、赴任について。

2 鬼柳周辺での火事等の場合の人集めについて。

3 豊沢川等洪水で出勤できないときの報告。

4 和賀川洪水で足止めになった時の宿泊費の負担について。

   の項を取り上げた。

 

なお、二は、嘉永七年に、その翌年正月に、公義役人が三馬屋まで通行することに関する連絡文書の写し等である。

 

B 本文 

 鬼柳関所文書

 

    (中略)

(1)

  鬼柳御関所被仰付候次第

左之通

 

  以前ハ前月之廿五日登城之旨 

御用所より御差紙ニテ被為呼登

  城仕候得ハ取次御同心ヲ以御用 

所江登城之旨届候得ハ

  当番御取次共立ニテ御城代 

席ニて何月中鬼柳御関所

  勤番被仰付ル

 

  此頃ニ至明年中勤番之人数 

 

  弐拾四人前年之十二月廿日一所ニ 

被仰付仮令ハ正月詰合順番

之者ハ前月之廿五日登城仕

当番御取次江拙者共正月鬼

柳御関所江詰会之由届ル也

 

判鑑認メ様左之通

 

  何之何年 何月中 鬼柳御関所御番人

 

 判鑑       先筆 何之誰 

       後筆 何之誰 

       何月廿五日中

右之通四枚認メ町奉行江差出ス

支度料被下御払手形認メ方左之通

 

  覚

一 銭八貫文

  右者拙者共何月中鬼柳

  御関所勤番就被 仰付候

  ニ付為雑事被下請取申候 

  以上

   年号月日

         何之誰

         何之誰

   御代物所

  右江三町奉行御取次裏書出ル

 

  御役人末書きハ当時ハ認メ候ニハ

  不及差出候処ニて共御役所ニて

  裏書相出ル也

  

   御代物所

  右ハ立紙江認メ御用所御町奉行

  当番之印形取御代物所江差出シ

  銭請取ル也

   覚

  立紙江認メ

一 何百何拾何文   荏油

      何升何合何勺

 

  右者鬼柳御関所下番所

  何月中日数何十日有明油代    (有明行灯)

  右之通請取相渡申候 以上

 

  年号 月日     何之誰 

         何之誰 

  

   御金所

 

  右の通認メ御用所江差出ス御取次

  当番之払判取候て御金所江

  差出ス油銭手形表之銭

  請取日割ヲ以下番御同心江渡

  夫より御台所江罷越御関所

  上番休息之間油銭百五拾文

  帳面江就被仰付候訳書印形

 

  致右油銭受取夫より御代物所

  より請取候雑事銭八貫文も  (ぞうじせん 雑費)

  御代物所江罷越鬼柳御関所

  雑事銭之帳面江雑事銭

  八貫文請取候訳認メ御用所

  江差出ス当番御取次払判取

  御代物所より弐人前雑事銭八

  貫文請取

 

一 御用所より鬼柳御関所 

  日記帳御用紙東山紙壱連

  請取

一 鬼柳御関所下番所油銭月割

   左之通

  大ノ月

一 六百七拾弐文  弐升壱合

   九月十月十一月十二月正月二月

  小ノ月

一 六百拾五文   弐升三勺

    月ハ右ニ同断

  大ノ月

一 五百七拾六文  壱升八合

    三四五六七八月

  小ノ月

一 五百五拾七文  壱升七合四勺

月ハ右ニ同断

  右ハ御関所下番所油銭御払手形江

  之認メ割合記

 

  夫れより致支度朔日御関所江出立

  御伝馬ハ入用次第被下馬継ハ

  朔日より六日迄一日市七日より

  十五日迄四日町十六日より晦日迄ハ

  川口町黒沢尻町ニて馬継替ル

  夫れより御関所江参ル下番御同

心石垣下江罷出土下座

 

石垣下江持ぞうりをなをし

御飾間ニ入御同心ヲ以各々代合ニ

罷越候由届 夫れより引渡帳

ニ向御飾間御道具改請取ル

 

   (中略)

(2)

一 筆致啓上候然は鬼柳町并

  仙台領相去町出火之節以来

  別紙之通鬼柳通御代官より

  人足其元御番所江為相詰候様

  此度御代官江御沙汰ニ御座候依て之

  右出火之節ニ至候ハハ別紙之通

村々より相詰候人足防方各様

下地被成候様是又御沙汰ニ御座候

此旨御承知被成右村々不相詰村方

 有之候ハハ

可被仰上候右可得御意如此御座候 以上

 月日    田頭 作左衛門○   (文化五年91石余)

平沢快右衛門  様         (文化五年50石余)

小田代 募(カ)様         (文化五年50石)

猶以本文之外ハ壁書ニ被成

置代々御番人被相心得候様

可被成候 已上

 

鬼柳町并仙台領相去町

出火之節鬼柳御番所江

詰人足

一 弐拾人    下鬼柳村

一 拾人     上鬼柳村

一 拾人      岩崎村

一 三人      煤孫村

一 五人      山口村

一 拾五人 黒沢尻 本町

一 六人  同   新町

一 拾人      里分村

一 五人      町分村

一 五人      北鬼柳村

一 弐人      鳩岡崎村

一 五人      上江釣子村

一 五人      下江釣子村

一 五人      藤根村

一 五人      滑田村

一 壱人      藤沢村

一 弐人      後藤村

一 五人      横川目村

  〆

   十月

  右ハ文化八年未十月晦日ニ

  被仰付

一 和賀川并北上川洪水ニて水

  御関所江押揚候節之人足ハ

  村方より鬼柳町江詰居候人足

 

  之内より何拾人成共入用次第

  申付為相詰ル後ニて人足遣払

  下鬼柳村肝入当所ニ〆時之

  御番人印形ニて差出ス

   洪水之節ハ右之通

   覚 

一         鬼柳通御代官

  鬼柳御番所近火并洪水之節

  詰人足右之通被仰付

一 右御番所近火之節下鬼柳

  村より人足相詰御番人得指図

  防可申事

   但シ 御番所近火之節鬼柳町

    より火元江相隔候者共相詰

    右同断

一 洪水之節御番人より下鬼柳村

  肝煎江詰人足書付ヲ以申付候

  次第為相詰御番人得指図ヲ

  相働可申事右之通可申置候

   寅 七月

 

   覚

一 壱挺       階子

   但弐間

一 弐本       大団  (大鎚 カ)

一 五本       唐竹

一 五ツ       水籠

 

  右は鬼柳御番所御備火消

  道具此度新規御渡被成候 已上

   寅ノ七月十二日

 

  (中略)

(3)

一 筆致啓上候然は拙者共

  今朝其御元致出立候処昨日より之

  大雨ニて豊沢川洪水尤扇

  堀土橋崩押切往来難相成

  罷越可申様無之豊沢丁日野や

  平兵衛所江止宿直々登

  城仕御届申上候然ル処右土

  橋御手入相成九ツ半時出立

  和賀川迄罷越候処頓て

 

  和賀川昨日より船留ニて

  渡船無之候故黒沢尻町

  田嶋屋長十郎処ニ止宿

  罷在候間此段御届申上候

  被仰上被下度候右可得

  御意如斯御座候 以上

 

   六月朔日  苫米地長左衛門○  (安政4年50石余)

         長沼武志   ○  (安政4年51石余)

 

  御取次七人様ニ相認メ

 

  右状使共町検断申付ル

  花巻より返書相応申来ル

 

 (中略)

(4)

前状之通和賀川洪水ニて

船留ニ付黒沢尻町江止宿申付

候趣御取次江早速届ル状使ハ

黒沢尻町検断江申付ル

 

嘉永五年子ノ五月迄和賀

川洪水ニて交代之節黒

沢尻町江留滞いたし

候得は是迄自分之旅

籠相払候ニ付御番士迷惑

仕候故和賀川船留ニて

留滞仕候ハハ以来旅籠銭

 被下候様被仰上被下度旨拙者共

 申立処以来ハ御番人黒沢尻

 町留滞いたし候節帰届

 之節右之趣申上候得ハ被下ル

 御払手形左之通認メ

 

  覚

一 御代物何貫文

  右ハ拙者共鬼柳御関所

  何月中勤番為交代罷越

  候所和賀川洪水船留ニ付

  黒沢尻町田嶋屋長十郎

  

  江止宿申付朔日昼より

  日何日朝迄上下六人都合

  何拾賄代被下請取申候 以上

 

    月日    苫米地長左衛門○

          長沼武志   ○

 

  御代物所

 

  右ハ 役 上ハ一賄 百拾五文

  下ハ 一賄 九拾文 右之心得 

  ニて認メル也 御取次之裏書

  相出ル

一 当時ハ以前之御振合ニて一泊上ハ

  百文下ハ八拾文被下候也

 

 

   注(1)(2)等は便宜上付したもので、原本にはない。

 

 



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