発信No.8

10.8.27

岩手の“ラべル制度”スタートしてから17ヶ月

1.これまでの経過における間題点

(1)実施時期(平成9年4月)はこれで良かったか。

中央のラべル制度推進委員会では、平成11年4月をメドに策定されたようですが、“岩手はラべルの先進地”という協会事務局の自信と県当局の思惑が一致したのか、他県に先がけて半ば強引とも思える手法でス夕ートさせました。
この時点で我々点検業者は、この制度のすすめ方について充分に理解したとはいいがたく、安易に受け入れてしまったと思います。
 平成8年秋頃から説明会等も開催されましたが、実施までの期間が短く関係者間で充分に協議されたとは思われません。
特に点検業を専門としている業者に対し、意見交換の場を設けるとか、わかりやすく説得力のある説明がなされたとは思えません。
ややもすれば権威主義的雰囲気の分厚い書類のコピーが袋に入っておりました。(これを全て読んだ人は少ないと思います)
時間をかけて広く論議し、環境を整えてから(場合によっては数年先でも)実施すベきでありました。近県の状況なども参考にするべきでした。

(2)防対関係者(所有者・管理者等)に対して事前のPRがなされたか

このラべル制度は点検の質の向上・点検率の向上等を目的としているのに、肝心の防対関係者の意見などがとりあげられた形跡は全くないように思われます。
従って防対関係者は今のところ“つんぼさじき”の状態におかれているといっても過言ではありません。
防対の関係者には相当な時間をかけて、この制度の理解を求め協力を要請するべきであります。
特に公共の防対には2〜3年間をラべル制度活用のPR期間として、ラべル代金のことについても配慮を要請するなど、一定期間を経てこの制度活用が定着したなら次は民間の防対にラべルを貼っていく、ということであれば良いと思うのです。

(3)ラべルの代金(消火器用1回分1枚30円)はどのようにして算出されたか
点検業を営む者にとって1回分30円は安いか高いかを論ずる前に、何を根拠に30円だったのか説明がなされておりません。
ラべル代金の中には賠償責任保険料も含まれているとのことですが、合理的な説明がなければ納得できません。
(ちなみに印刷会社の話によれば、同等のラべルの作成費用は枚数にもよるが、単価は10円未満でできるそうであります。)
もちろん協会の運営費やその他の経費にあてられる部分が大きいことは理解できますが、最初に30円ありきでは釈然としないものがあります。

(4)消防機関の対応のばらつき
点検結果報告書の簡略化などで消防本部の対応にばらつきがあり、書類提出時に一時混乱があったと聞いております。
県の担当者の話などによれば、現在は県下の消防は足並みを揃えて同じような対応になっているはずだ、ということです。

2.今後予想される間題点

(1)ラべル登録業者であっても、全ての得意先防対にラべルを貼付しない。
      −ラべルの代金が経費増になるからである−

(2)協会が「技術調査員」を防対に派遣して適正に点検が行われているかの確認の際、防対関係者に誤解を与えることはないか。
  (これまではありました)

(3)ラべルの代金は点検業者負担となっているが防対関係者に対して点検料金のアップ、又はラべル代金分の上乗せを申し出た場合容易に理解してもらえるか。
拒否された場合点検業者は、泣き寝入りでがまんすベきか…。

(4)ラベル制度は点検業者にとっては“規制強化であり、全ての登録業者は、ラべル登録を継続するのか。メリットを肌で感じられるようにならなければこの制度の発展は望めない。

(5)過去における協会“独走”の再現はないか。


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